アブ・ガザレー・インテレクチュアル・プロパティ(アジップ)はアラブ地域で知的財産(知財)保護がまだ初期の段階だった1972年、クウェートでT.M.Pエージェントという名称で設立されました。
発足当初からアジップは常にアラブ世界の先頭に立ち、知財の基盤整備に取り組んできました。
知財基盤整備という目的達成のため、アジップはアラブ諸国政府や多国間組織との緊密な協力のもと、効果的な知財システムを導入し、アラブ地域に大きな変化をもたらしました。
新しいシステムにより、投資が適切に保護されると確信した大手の多国籍企業は、アラブ地域に進出し、大規模投資をすることに対して安心感を持ち始めました。
さらに、建築家、芸術家、デザイナー、科学者、音楽家、作家などの創造的職業にあるアラブ人たちにとっても、仕事の成果が適切に認められるとともに作品が効果的に保護されるという、創作意欲を促進させる環境が整いました。
さらなるIP保護への貢献として、アジップは世界知的所有権機関(WIPO)や世界貿易機関(WTO)などの国際機関、および国際商標協会(INTA)、国際知的財産保護協会(AIPPI)、国際知的財産代理人連盟(FICPI)といったNGOなどと継続的に関わり、またアラブ知的財産協会(ASIP)、アラブ諸国ライセンス協会(LES-AC)などアラブのNGOへの財政的支援を行ってきました。
そのほかにも、アジップはWIPO、ASIP、WTOと協力して、アラブ諸国の司法関係者や地方検事のためのトレーニングを組織し、財政支援してきました。
また、アラブの知的財産法全てについて英訳を編纂し、アラブ世界で使われる知財用語の定義とその英語-アラビア語訳を初めて包括的に網羅した大型の知的財産辞典を出版するなど、アラブ世界の知財に関して草分けとなるような参考資料を数多く出版してきました。